中身を見て、私は凍りつきました。
それは、私たち世代が小学生のころに流行った、不安を煽り、他の子に送るよう求めるチェーンレターの一種である「不幸の手紙」だったからです。
「これを読んでから7日以内に5人に送らないと、不幸が起こる」
と書いてありました。
私が考える親の役目
「怖い。なんだろう、これ」と動揺する娘。
Mちゃんは本当に軽い気持ちで、クラスで流行っているからと「5人に送る」うちの1人として、たまたま娘を選んだだけかもしれません。
しかし、娘にとって人生で初めての“友だちからの手紙”がこれだったという事実は、想像以上に大きなダメージとなってしまいました。
娘の傷ついた顔を見ながら、私はまず「冷静に対処しよう」と決めました。
「ネガティブの連鎖」をここで断ち切る事が、親としての役目だと感じたのです。
娘と決めた「受け取れない」という意思表示
私は娘に「これ、Mちゃんに『受け取れない』って送り返そう」と提案しました。
娘は、すぐに「うん」と頷きました。
私はその手紙と封筒を丸ごと新しい封筒に入れ、「中身は読みましたが、受け取れません。ごめんなさい」とだけ書いたメモを添えて、Mちゃんの家に送り返しました。
数日後、Mちゃんからまた手紙が届きました。
「そんなに傷つけると思わなかった。ごめんなさい」という謝罪の言葉でした。
勇気ある行動がもたらした教訓
娘は手紙を読みながら、
「Mちゃん、ただ怖くて誰かに送らなきゃって思ってただけなのかもね」と言いました。
この出来事を通じて、娘は「流行や恐怖心で動く事の無責任さ」を学び、Mちゃんは「相手の気持ちを考える」という大切な事を学んでくれたと思います。
あの時ただ手紙を破り捨てるのではなく、「受け取れない」という意思表示をした事が、解決策につながったのだと私は思っています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。