女子トイレの個室から流れる爆音のYouTube。トイレには行列ができている中、その傍若無人な態度に救世主が現れて……? 友人が体験談を語ってくれました。

爆音YouTubeで占拠された女子トイレ

先日、フードコートの女子トイレに並んでいたときのことです。

トイレの個室は4つで、行列ができていました。

ところが、1つの個室だけ、まったく動きがないことに気付きました。

しかも、そこから爆音で動画の音声が聞こえてくるのです。

どうやら誰かが個室の中でYouTubeを鑑賞している様子。

トイレは出入りのある3つだけが稼働し、残り1つは完全に占拠状態。

私は「いやいや、ここ公共の場だって分かってるよね……」と内心呆れましたが、直接声をかける勇気もなく、行列に並ぶ人はみなイライラを募らせていったのです。

「お約束破り」を指摘した救世主

そんな中、隣に並んでいた小さな女の子が、お母さんに向かって大きな声で言いました。

「ねぇ、あそこの人、YouTube見てるんじゃない? 音聞こえるもん。Aちゃん(妹)トイレ行きたいって漏れそうなのに、なんでお約束守らないのかな!」

周囲の人たちも「そうそう」「その通り」とざわつき始めます。

その言葉は個室の中にもはっきり届いていたと思います。

すると次の瞬間、ガタガタッと音がして、スマホを持った若い女性がバツの悪そうな顔で出てきました。

個室から出てきた女性

周囲の視線を浴び、居心地が悪かったのか、そのまま足早に去っていきました。

並んでいた女の子の妹は、ようやくトイレに駆け込むことができたのです。

結局、トラブルを避けたい心理から大人が何も言えなかった場面を救ったのは、子どもの率直な一言。

他者への配慮に欠ける振る舞いも、純粋な声に突きつけられると逃げ場がありません。

私は心の中でその子に拍手を送りながら、モヤモヤがすっと晴れたのでした。公共の場でのマナーについて、改めて考えさせられる出来事でした。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。