今回は、筆者の友人・A子に聞いた話をご紹介します。いつも穏やかで争いを避けるA子でしたが、同僚のマウント癖に限界を迎えたある日、思わず放った一言が職場の空気を一変させる結果に。見ていた全員が沈黙し、A子は“本当の信頼”を得ることになったのです。職場での人間関係トラブルから、スカッとする展開を迎えたエピソードです。

何気ない一言が刺さる日々

私は入社5年目の事務職員です。
職場にはB子さんという、何かと人にマウントを取る同僚がいました。
「それ、私ならもっと早くできるけどね」「その服、プチプラ? 頑張ってるね〜」など、笑顔で言いながら相手を下げるタイプ。
私は最初、気にしないようにしていました。
でも、彼女は私が頑張るほど、必ず一言チクリと刺してきます。
人前で注意されたときには「ああ、A子さんって真面目すぎるんですよ」と上司に笑って言われ、場がしらけました。
胸がギュッと痛んだのを今でも覚えています。

限界を超えた“悪意のひと言”

ある日、私は新しいプロジェクトの資料作成を任されました。
夜遅くまで残業して準備を重ね、ようやく完成。
上司からも「完璧だ」と褒めてもらえた瞬間、B子さんが言いました。
「へぇ〜、頑張ったんだね。でも、デザインはちょっと地味かな。A子さんらしいけど」
その場にいた全員が一瞬固まりました。
褒め言葉に見せかけた見下し。私は顔が熱くなりました。
笑ってごまかすこともできず、何かがプツンと切れたのです。

反撃の一言

「地味でもいいです。私は中身で勝負してるので」
思わず口から出たその一言。静寂が走りました。
B子さんは一瞬キョトンとし、顔を引きつらせました。
上司が咳払いしながら「確かに、A子さんの資料は実用的だ」とフォローしてくれ、場の空気は完全にA子寄りに。
その後、B子さんは私に対してあからさまに距離を取り始め、周囲の同僚も「スッとした」と声をかけてくれました。
あのとき、怖くても言い返して本当によかったと心から思いました。

変わった人間関係と小さな自信

あの日以来、職場の雰囲気は穏やかになりました。
誰もがB子さんの前では本音を言えなかったのだと、後から知りました。
私は「嫌なことを笑って受け流すだけが大人じゃない」と気づいたのです。
自分を守るために声を上げることは、決して悪いことではありません。
今では、自信を持って仕事に取り組めるようになりました。
あの小さな反撃が、私にとって“自分らしく生きる第一歩”だったのだと思います。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。