妊娠した喜びを誰かに伝えたい! そうしてすぐに周りに報告する人もいれば、安定期に入ってからであったり、出産後の報告になったりと、タイミングは人それぞれです。
筆者の友人A子さんは、友人から出産報告を受けたのですが……。

大人になってもずっと仲良し

A子さんは学生時代の親友4人グループと、大人になっても仲良しでした。
皆子育てや仕事に忙しいのですが、年に一度は集まっていたのです。

グループLINEは集まりの日を決める時と、あけおめLINEの時しか動かないものの、会うと皆今までの空いた時間が無かったかのように楽しく話せるのでした。

妊娠報告に皆大喜び!

ある日、グループLINEで、

「私、妊娠したよ!」

と、B子が突然妊娠を報告してくれたのです。
メンバー4人は全員結婚していて、A子さんとC美は子無し、D子は2人子どもがいます。

「おめでとう!」
「うちらの中で、二番目のママだね~!」

なんて祝福の言葉が続き、会話は幸せいっぱいでした。
ところが……

多忙な毎日に響く親友の妊娠報告

それからというものの、B子はまるで日記のように、「今何週目」「悪阻が酷い」と、ほぼ毎日報告がくるようになったのです。
初めは皆がしっかり返信していたのですが、A子さんは仕事が忙しいので、対応するのがだんだんと億劫になってしまいました。もちろん、B子の喜びは理解できました。しかし、日々の業務に追われる中で、頻繁な返信は負担になりつつあったのです。

そしてそう思っていたのは、どうやら皆も同じようでした。
徐々に返信内容が薄くなっていったのですが、そんな皆の態度にB子は不満だったようで……。

「なんで皆そんなに反応薄いの?」
「私が妊娠したの、そんなに気に食わないわけ?」

と、突然B子から喧嘩腰のLINEが来たのです。
皆は「忙しくてごめん」等の言葉でB子をなだめたのですが、

「特にC美は、私のことムカついてんでしょ!?」

そう言い放ったB子。嬉しいのは分かるけど、相手の気持ちも考えなきゃ。

仲良かったのになぁ……

実はC美は不妊治療中だったそうで、C美と特に仲良しのB子だけは、治療を知っていたそうです。
C美は今年の集まりの時に、皆にも話すつもりだったそうなのですが、

「素直におめでとうとは思っているけど。私が治療中って知ってるなら、どうしてこんなに毎日報告出来るの? 私の気持ちは?」

そう怒りと悲しみをあらわに返信するC美。
そこからは2人のバトルが続き、最終的にB子は捨て台詞を吐いて、逃げるようにグループを退会してしまいました。

A子、C美、D子はまだグループに残っていましたが、重苦しい雰囲気で、なんだかお互い気まずい状態。
そうしてそれ以来、そのグループLINEは動かなくなりました。

おめでたい話だったのに、どうしてこんなにこじれてしまったんだろう。
そう初めは悲しみましたが、皆住んでいる場所も環境も違います。
きっと合わなくなっただけだと思い、皆の幸せを願いつつ、この学びを胸に、いつか互いの状況を認め合って再会できる日が来ることを願っています。

【体験者:30代・女性OL、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。