見た目の華やかさが尊ばれるときもありますが、シンプルなものにこそ価値があるときもありますよね。今回は筆者の知人から聞いた、シンプルな見た目の手土産に対する、ママ友の反応についてのお話です。

ママ友から自宅に誘われる

私には、子どもの保育園が一緒だったことをきっかけに仲良くなったママ友C子がいます。

C子は思ったことがつい口に出てしまうという少し困ったところはあったものの、気さくで話しやすい性格だったので、付き合いを続けていました。

そんなある日、C子の自宅でママ友との集まりが開催されることになり、私も招待されたのです。

手土産に選んだのは

初めて訪れるC子の自宅。手土産は何にしようか悩みましたが、実は私にはどうしても食べてほしいお菓子がありました。

そのお菓子というのが、我が家の近くにある昔ながらの洋菓子店で売っている焼き菓子。ただそのお菓子は素朴な見た目で、華やかさはありません。
ですが、その焼き菓子はとても美味しく、私もよく自分のご褒美に買っていました。

「手土産にするには質素すぎるかな……」と少しためらいを感じましたが、シンプルながらもとても美味しいお菓子を食べたときの感動。その気持ちを共有したいと、その焼き菓子を持っていくことにしたのです。

お菓子を差し出すと

当日は、私の他に2人のママ友が招待されていました。
「これお土産」「お招きいただきありがとう」と2人のママ友が差し出したお菓子は、おしゃれなパッケージに包まれた華やかなお菓子でした。

そんな中で素朴なお菓子を出すことに一瞬ためらいましたが、「でも味はバツグンに美味しい!」と自分を奮い立たせ、C子にお菓子を差し出しました。

するとC子は、「えー、どこで買ってきたのこんなの」と薄笑い。さらに、「よくこの流れで出せたね。最初に出すべきだったんじゃないの?」とあざ笑うように言い放ちました。

「でも、これ味はすごく美味しいの! それを知ってほしくてあえてこれを選んだんだ」と私は言い返しましたが、C子は「はいはい」と笑い、私が渡したお菓子を投げるように机に置いたのです。

私の持ってきたお菓子は

その後、C子以外のママ達は私の手土産を食べると、「美味しい!」と喜んでくれました。「本当に美味しいよ! C子さんも食べてみて!」と他のママが言ってくれましたが、C子はその場では手も付けませんでした。

この出来事を思い出すと、私は未だに悲しい気持ちになります。C子とは今では距離を置き、交流もなくなりました。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。