義妹
義妹は結婚して1年も経たないうちに、義実家へお金を借りにきたそうです。
自分の実家とは折り合いが悪く、頼めないということで、義母から10万円ほど借金をしたと聞きました。
まだ子どももいないし、2人で働いているのに何がそんなにお金がかかるんだろうと不思議に思っていたのです。
お願い
ある日のこと。
私が体調を崩した息子の看病をしていると、いきなり義妹が訪問してきました。
「お義姉さん、お久しぶりですぅ♡」とやってきた義妹は、ハイブランドのバッグをこれ見よがしに抱え、洋服やアクセサリーも高そうな物を身に着けていました。
私は息子の具合が悪いことを伝えたのですが、「ちょっとお願いがあって」とズカズカ家の中へ入ってきたのです。
それ売ったら……
義妹は「お義姉さん、少しお金貸してもらえませんか?」と言い出しました。
私は即座に「うちは無理よ。自由になるお金はないから」と断ったのですが「え~、だってお義兄さん公務員でしょう? お給料いっぱいもらってるんじゃない?」と義妹。
義妹は一歩も譲らず「ちょっと30万ほど足りないんです。何とかなりません?」と両手を合わせて拝むようなジェスチャーをしました。
30万もの大金を「ちょっと貸して」と言える価値観にも驚きましたが、義妹はさらに驚くような発言をしたのです。
「そこにあるグラス、バカラでしょう? 売ったらお金になるんじゃないですか?」
怒り
さすがに腹が立った私は「だったら、あなたが持ってるその鞄を売ればいいんじゃない? ハイブランドなら高く売れるでしょう?」と言い、「うちは無理だから。息子の具合も悪いし、もう帰ってくれる?」と追い返しました。
その日の夜、夫が帰宅したタイミングで義妹の話をすると、「今日、おふくろのところにも電話が行ったらしい。お金持ってるんだから貸してくれてもいいのにって言われたって怒ってたよ」と苦笑いしていました。
末路
他人の家の物を売ってお金貸してほしいというのは、すごい価値観だなぁと呆れてしまいました。
その後、1年もしないうちに義弟夫婦は離婚。
原因は義妹の浪費です。
義妹は自己破産寸前だったとか……確かに、あの状態なら仕方ないなと思っています。
【体験者:30代女性・主婦、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:RIE.K
国文学科を卒業しOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄、多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子どもを養うために、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。