記念日のお祝いって、いつだって特別で、心が温まる時間ですよね。大切な人との思い出を彩る素敵なディナーには、たくさんのサプライズや感動が詰まっていることも。今回は、筆者の友人のエピソードをご紹介します。

手拍子が鳴り、1人の店員さんがギターを抱えて軽快なコードを奏で出すと、全員で「ハッピーバースデートゥーユー♪」の大合唱が始まったのです!

笑いを堪える夫婦の攻防

目の前には花火が上がる豪華なケーキまで運ばれてきて、プレートにははっきりと「お誕生日おめでとう!」の文字が。

私と夫は思わず顔を見合わせました。
結婚記念日は11月ですが、私の誕生日は4月。
どうやら夫が、予約時に「結婚記念日」ではなく「誕生日」と伝えてしまったようです。

しかし、そうとは知らない店員さんたちは満面の笑みで私たちを祝福してくれているので、今さら「あの、私たち、誕生日じゃないんです……」なんて、ギターの生演奏が響き渡る中で言える雰囲気ではありません。

最高のサプライズディナー

結局、私たちは“本当に誕生日みたいな顔”をして振る舞うことにしました。
店員さんたちの全力のパフォーマンスに拍手を送り、ケーキを前に照れくさそうに微笑む私。
夫も「ありがとう!」と満面の笑顔で応じています。

心の中では「いや、本当は結婚記念日なんだけど……」とツッコミまくりでしたが、プロのギター演奏と歌声、そして店員さんたちの心からの祝福は、間違いなく感動的でした。

盛大な誕生日ディナーの「ふり」を終え、店を出た途端、私と夫は顔を見合わせて爆笑!
夫は「本当にごめん!」と謝ってくれましたが、最高のパフォーマンスをしてくれている店員さんたちの気持ちを大切にするのが夫らしいなと思いました。

忘れられない結婚記念日になったし、ある意味、最高のサプライズディナー。
帰り道、夫と夜空を見上げながら、夫婦の絆がまた1つ深まった気がしました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。