義母宅にて
夫と小学生の娘、私の3人で義母の家に帰省した時の話です。
何かの話の流れで義母が、
「この中でいつも休みの日に一番早く起きるのは誰?」
と聞いてきました。
誰かって?
娘は5歳くらいまでは休みの日でも6時前に起きて、もれなくそれに振り回されていました。
でも、小学校に上がってからは9時過ぎまで寝るようになってきたので、一番早く起きると言えば、私です。
見栄を張りたい夫
「ん~。俺、かな?」
私ですかね~と言おうとした矢先、夫が先に声を上げました。
私は思わず首を傾げそうになりました。
結婚から10年近く経つけど、私より先に起きたことなんて片手で数えても足りるくらいだったと思うけど?
早起きをしたとしても、リビングのソファでゴロゴロしているだけ。
家事を手伝ってくれたことも、娘の支度などを手伝ってくれたことも、あまりありません。
まさか先週の日曜日にたまたま早く起きたことで、自分はいつも早起きしているという記憶が植え付けられてしまったの?
追い打ちをかける義母
高速で思考を巡らせていると、
「そうなの~? 疲れているのに寝られないなんてかわいそう!」
義母がなぜか私の方に視線を向けながら言います。
この2人......!!
夫は見栄を張り、義母は嫌味を言いたそうにしている……。そんなやり取りを目の当たりにして、猛烈に腹が立ちました。
すると娘が、
「お父さんなんで嘘つくの? この間はたまたま早く起きただけで、いつもお昼まで寝てるじゃん」
冷静にポツリと言いました。
それを聞いて、夫も義母も「え?」と気まずそうに目をそらしました。
腹立たしくて言いたいことは色々ありましたが、娘の一言にスカッと救われた出来事でした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。