実際は小さな不具合
階下に到着すると、ホースの先からわずかに水がにじむ程度。交換の必要もないくらいの小さな不具合でした。「これで“壊れた”なんて……」と胸の内でため息。それでも義母は不安そうな様子で「困っている」「壊れた」を繰り返し、Aはまた対応せざるを得ませんでした。
ほんの小さなことでも、大げさな言葉に置き換えられると、急を要するように思えてしまう。そんな義母の焦るような調子に、Aはつい振り回されてしまうのです。
夫と出向いた週末の交換作業
緊急性を訴える言葉の裏には、誰かに何とかしてほしいと思っている義母の気持ちがあるのかもしれない。Aもまた、平日にひとりで買いに行くのは気が重く、週末の夫の休みを待って夫婦でホームセンターへ向かいました。
状況を確認した夫が「全体を変えなくても大丈夫」と部品を見つけてくれ、購入したのはホースの先の部分だけ。ほんの数分で交換は終わり、あっけないほど簡単に直ってしまったのです。
「わざわざ出向いたのに……」という思いが胸に残りました。
モヤモヤを抱えて見つけた距離感
実際は小さな不具合なのに、一度「壊れた」と口にすると大ごとになる義母。どうしてその不安を、嫁を巻き込まずにはいられないのか──。かまってほしい気持ちなのかもしれませんが、こちらにも都合があるのにと複雑な思いを抱いてしまいます。近くに頼める人がいること自体は義母にとって安心材料なのかもしれません。それでも、Aにとってはすぐに対応を迫られることに、モヤモヤばかりが積み重なっていくのでした。
【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。