まさかの結末に、思わずクスッとくるお話です。
夫が釣りにハマった。頑張って釣ってきてね!
夫はある時から、職場の同僚と釣りにハマったようでした。
お互い「一人時間は大切にしよう」と話し合っていたので、A子さんはもちろん快くOK。
夫達はバス釣りではなく、海へ行き食べられる魚を釣って帰ってきてくれました。
夫は趣味を充実させてストレス発散、道具代はかかりますが、美味しいお魚が食べられて食費が浮くので、まさにwin-winの関係です。
夫は釣りが上手いのか、毎回きちんと手土産を持って帰ってきていたのですが……。
一匹も釣れなかった日。悲しむ息子……
ある日、疲れ切った夫が暗い顔で帰宅しました。
どうやら全く釣れなかったようで、夫の同僚も一匹しか釣れなかったそうです。
小学一年生の息子はかなりの魚好きで、いつも夫が釣りに行くのを楽しみにしていました。
しかしその日は何もお土産が無かったので、かなり残念がっていました。
「お魚食べたかったのにぃ……」
そんな風に本気で悲しむ息子を見て、夫はかなりショックを受けたようでした。
新しいルアーでも買うのかな? と思いきや……
その日から、夫は必ず魚を持ち帰るようになりました。
きっと夫が「息子のために!」と、本気で頑張ってくれていると思っていたのです。
ところがある日の夜、夫が神妙な面持ちで、
「ごめん。小遣いが足りなくなった」
そう俯き加減で話しかけてきました。
新しい釣り具購入の相談かな? なんて思っていると……。
嘘!? そこまでしなくていいよ!(笑) これからも楽しくやろうね
「どうしても釣れなかった日は、釣り場近くの魚屋で買ってきてるんだ……」
なんと夫は、息子の期待を裏切りたくなくて、お小遣いで魚を買ってきていたと言うのです。
釣れた日は良いのですが、釣れない日は必ず買ってきていたとのこと。
A子さんは驚きながらも思わず笑ってしまいましたが、夫は息子のためを思っての行動でした。
それからは、時々家族で一緒に釣りに行くようになりました。
もちろん釣れる日もあれば釣れない日もあると、息子も身を持って知ることに。
夫の優しさと天然具合が面白くて、私は一生忘れない出来事になったのでした(笑)
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。