友人Aの話です。
義母と30年以上良好な関係を築き、娘のように扱われてきた彼女。
ところが義父の急逝をきっかけに、夫が義実家へ顔を出すようになると、思わぬ一言にモヤモヤが募った出来事です。

義母との長い付き合い

結婚してから30年余り。
Aは義母ととても良好な関係を築いてきました。
同じ転勤族の夫を持った者同士ということもあり、転勤の引っ越しには義母が率先して手伝いに来てくれるほどの仲でした。
大型連休などで先に帰省するときも、Aと子どもたちだけで義実家に泊まるのが自然な流れ。
子どもの手が離れ、地元に戻った今でも、週に一度は義実家を訪れています。
ランチやおしゃべりを一緒に楽しめる関係に、Aはありがたさを感じていました。

夫の変化と肩透かし

そんなある日、義父が急逝。
慌ただしく見送った後、義母がひとり暮らしになったのが心配になったのか、これまでほとんど顔を出さなかった夫も、ようやく義実家に足を運ぶようになりました。
自分の予定を優先してきて実家を顧みることも少なかった夫。
その夫が変わったように見え、責任感が生まれたのかなとAは少し頼もしさも覚えたのです。
ところが実際の夫は、実家に戻っても座ってテレビを眺めることが多く、どこか他人事のように見えました。

義母の言葉に驚く

そんな中でも義母は「Aちゃん、来てくれてありがとう」「今度はふたりでランチに行きましょうね」と、まるで実の娘のようにAを扱います。
一方で夫が一緒に行くと、ソファに座ったまま動かない夫に気づかないのか、しばらくして「あなたいたのね」と言うのです。
食卓の準備や片付けはすべてA任せ。
義母が声をかけてもどこ吹く風。
高所の庭木の剪定までAがこなす有り様なので、Aが実の娘のように義母に頼られ、夫が他人事のように振る舞っている現状を考えると、Aも『そう思われても仕方がない』と感じてしまいました。

複雑な胸の内

お世話になっているので楽しんでやっているつもりですが、夫の存在感の薄さには苦笑するしかありませんでした。
母と子の距離が縮まることを願いつつ、胸の内には複雑な思いが渦巻きます。
お義母さん、実の子どもは夫ですよ!? と心の中で思わず突っ込んだ出来事でした。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。