夫の希望で専業主婦に
Aさんは、去年結婚した30代の女性。結婚を決めた時は仕事も楽しくなってきた頃でしたが、夫の強い希望で仕事を辞め、専業主婦になりました。
「外で働いてほしくない」と思われるほど大事にされていると思い込んでいたAさん。結婚して、穏やかで幸せな暮らしが待っていると思っていました。
しかし実際に専業主婦になると、夫のモラハラが始まったのです。
「俺の金」夫の心ない言葉
仕事を辞めたAさんは、家事の手を抜くことなく頑張っていました。夫は仕事、Aさんは家事をそれぞれ頑張るのが、自分たち夫婦の役割だと考えていたからです。
夫の希望で専業主婦になったのだから、夫婦の上下関係はないと考えていたAさん。しかし、夫の考えは違ったようです。
A「この靴かわいい~」
Aさんは夫と何気ない話をしようとしただけですが、夫は「無職なのに買うの?」と言ってきます。Aさんに関する出費は、すべてにおいて「無職なのに」「俺の金で無駄遣い」という扱いになってしまうのでした。
友人夫婦はドン引き
夫の心ない発言に、徐々に心が麻痺していたAさん。そんなある日、友人夫婦と食事に出かけました。夫はそこでもナチュラルに、Aさんを見下すような発言を繰り出します。
Aさんが料理を注文しようとした時、夫が「俺の金でいいもの食べようとしてる~」と冗談めかして言ったのです。
しかし、その発言は冗談として受け止められず、友人夫婦をドン引きさせました。
「お前の希望で専業主婦になってもらっておいて、その発言は冗談でも言っちゃいけないよ」
以前から、夫のAさんへの態度に疑問を感じていた友人。真面目なトーンで叱られた夫は、これまでの発言についても反省した様子でした。
夫は反省したけれど、、、
帰宅後、夫はAさんに謝りました。
「『仕事をしていないのは事実だから、少しくらい冗談で言っても許されるだろう』と甘く考えていた。本当にごめんなさい」
しかし、夫の反省の言葉はAさんに響きませんでした。
「いくら反省していても、この人の心の中には専業主婦に対して見下す気持ちがあるのだな」
そう思うと、夫への信頼が崩れ、これ以上夫婦を続けていこうとは思えなかったのです。
結局、Aさんは離婚。再就職した仕事で、今はバリバリ輝いています。次に結婚することがあったら、自分は仕事を続けたいときちんと説明し、お互いの人生観を理解し合おうと決意しているそうです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。