公園デビューの洗礼
子どもを連れて近所の公園に行くたび、気が重くなりました。
いつもママ友のB子が私にマウントを取ってくるからです。
「A子さん、そのベビーカー安いやつでしょ? 腰に悪いって聞いたよ」とか「保育園まだ決まってないの? 大変ね〜」などと、わざとらしく笑うのです。
私は聞き流しながらも、内心では肩身の狭い思いをしていました。
思わぬ助っ人登場
その日もママ友グループで集まる中、ベンチでB子に嫌味を言われていたとき、公園を散歩していた町内会長さんが近くに来ました。
B子が「うちは英語教室も通わせてるの、やっぱり教育は早いうちからでしょ? 私、誰よりも子どものことを考えてる自信あるわ。本当、大変なのよ〜」と自慢気に話した瞬間、町内会長さんは私たちのやりとりを耳にしたのか、こちらを見てニコッと笑い「お母さんが楽しそうにしてるのが一番いい教育だよ」とポツリと言ったのです。
空気の変化
B子は一瞬言葉に詰まり、「まあ、それも大事ですよね」と取り繕っていましたが、今までの勢いはすっかりなくなっていました。
他のママ友たちも「ほんとだね」「無理しても子どもに伝わるし」と相槌を打ち、場の空気は一気に変わったのです。
私は小さくうなずきながら、胸の中がすっと軽くなるのを感じました。
心が救われた瞬間
あのときの町内会長さんのひと言は、私にとってまさに救いでした。
誰も直接B子に注意できずにいた中で、さりげなく本質を突いた言葉が響いたのです。
その日以来、私は公園に行くのが少し楽しみになり、B子の言葉も気にしすぎずに受け流せるようになりました。
たったひと言で人間関係が変わるのだと、驚かされた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。