義父が栗を拾っていた場所
ある日、Aさんが子どもたちと近所を散歩していたときのことです。
「あ、じいじの栗の木だ!」
5歳の息子が民家に生えている栗の木を指さして言いました。Aさんが息子に話を聞いてみると、義父はいつもこの民家の栗を拾っていることが発覚。
義父の散歩に同行することのあった息子は、義父がどこから栗を拾っていたか知っていたのでした。
他人の敷地内の物を勝手に拾っていたと知った以上、Aさんは黙っているわけにはいきません。義父に注意をしにいくことにしました。
栗のおすそわけはなくなりました
義父が感情的にならず話を聞いてくれるか不安だったAさんは、夫と義母に先に相談。
義父の栗拾いを問題だと思ってくれた2人と一緒に、義父に人の家の栗を拾ってはダメなことを注意しました。
最初は、「落ちてるものは拾ってもいいんだ」と昔ながらの考えから納得してくれなかった義父でしたが、孫たちに美味しいものを食べさせたいという純粋な気持ちを尊重しつつ、3人がかりで説得したのが功を奏し最終的にはわかってくれたのです。
こうして秋になってもAさん宅に栗が届けられることはなくなりました。栗のおすそわけはなくなりましたが、「栗を届けたい」という義父の気持ちは、Aさん一家への愛情として別の形で表れるようになりました。Aさんは今、栗の代わりに「義父と顔を合わせる機会が増え、孫の成長を喜ぶ義父の姿が見られること」が何よりのおすそわけだと感じています。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。