知人から聞いたお話です。知人の子どもは私立の幼稚園に通っているそうですが、担任の先生がどんどんやつれていってしまったそう。心配して声を掛けた知人に、先生が思わず漏らした一言があったようです。
「初めての担任で、大変なこともたくさんあると思いますが、頑張ってくださいね」とだけ伝えました。
するとA先生は、何かを堪えるような表情を見せた後、顔を両手で覆い、わっと泣き始めたのです。
そして「すみません……負けちゃダメですね」と涙声で言い、その後もしばらく泣き止みませんでした。
その涙は、自分自身への悔しさであり、乗り越えようともがく若きプロの涙だと感じました。
応援の気持ちと学んだこと
A先生の苦労の背景には、教育熱心な園の高いレベル、新任の先生が直面する業務の厳しさ、そして何より「完璧にやり遂げたい」という彼女自身の真面目すぎる性格が重なっていたのでしょう。
でも、我が子はA先生が大好きで私も同じです。
「どうか自分を責めすぎず、心と体を大切にしながら、長く先生を続けてほしい」と、心の中で応援し続けています。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。