思春期の子どもとのやりとりは、何かと神経を使うものですよね。時にはどうしようもなく悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。今回は、思春期まっただ中の子どもを育てる友人から聞いたエピソードをご紹介します。
まさかの仲裁役、現る!
「すみません、聞き取れませんでした。もう一度お願いします」
部屋の片隅のスマートスピーカーが、突然反応したのです。
まるで私たちの会話に割って入るかのように、淡々とした機械の音声が響き渡りました。
息子も私も、そのまさかの「返答」に一瞬フリーズ。
しかし、次の瞬間、息子がフッと吹き出し、私も思わず声を出して笑ってしまいました。
それまで険悪だったはずの空気が、一瞬で笑いに包まれたのです。
笑いが教えてくれた大切なこと
「時には、こんな仲裁役も必要ね」
まるでスマートスピーカーが「まあまあ、落ち着こうよ」と仲裁してくれたように思えて、私の心はスーッと軽くなりました。
反抗期は子どもの成長にとって避けて通れない大切な通過点。
でも、だからといって、親がいつも全力で正面から向き合い続ける必要はないのかもしれない、とこの時気づいたのです。
スマートスピーカーの“粋な返し”が教えてくれたのは、説教や正論よりも、笑いの力が親子関係を和らげる場合もあるということ。
そして、親子関係に必要なのは、時にはこんなちょっとした「仲裁役」なのかもしれない、と改めて感じた夜でした。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。