「キレイな私に農作業は無理」
他のママたちの視線がAさんに集中する中、Aさんは私の方に近づいてきました。
そして「私はこんな格好だから汚れ仕事とか無理でしょ? 後ろの方で見学するから、娘のことはよろしく!」と私に付き添いのお願いをしてきたのです。
「そこは服装の指定に合わせてきてよ」とカチンと来た私。ただご近所ということもあり、関係を面倒にしたくありませんでした。結果的に、私はAさんの頼みを断れなかったのです。
結局Aさんの代わりに、なぜか私が娘Bちゃんの付き添いもすることに。それを畑の外から静観していたAさんに、イライラが止まりませんでした。
子供と共に泥まみれになって気づいたこと
Aさんにとってキレイなママでいることが、大切なことなのかもしれません。ただ行事に参加する際は、一生懸命子供と関わるママの方が、子供にとってはかけがえのない存在になると、私は思います。
BちゃんはAさんと芋ほりに参加できなくて、時折悲しそうな顔をしていました。そのとき私は、畑にパンプスを履いていくより、長靴を履いていった方がBちゃんは喜んだに違いないと強く感じました。
結果的に、私は自分の子供とBちゃん、二人分のサポートをすることになり大変でしたが、泥だらけになって笑い合う二人の姿を見ていると、「親もできる限り全力で子供に寄り添い、時には一緒になって遊ぶ姿勢こそが、楽しい親子行事を形づくるのかもしれない」と改めて思ったのでした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。