結婚や子育ては必ずしも自分の強い意思だけで始めるわけではありません。気づけば「周囲の言葉」に背中を押されていた、ということもあります。
筆者の知人A子もその1人でした。長年付き合った彼と結婚し、すぐに妊娠。しかしそこで待っていたのは、思い描いていた幸せとは違う現実でした。
筆者の知人A子もその1人でした。長年付き合った彼と結婚し、すぐに妊娠。しかしそこで待っていたのは、思い描いていた幸せとは違う現実でした。
世間に流されて決めた結婚
20代前半から付き合っていた彼と8年。親や親戚からは「そろそろ結婚は?」「子どもは早めに産んだほうがいいよ」など言われ続けてきました。
当時、私は仕事が楽しくて結婚を急ぐ気持ちはありませんでした。それでも何度も耳にするうちに「世間的には適齢期だし、そろそろ結婚したほうがいいのかな」と思うように──。
気づいたときには、心の奥の迷いを残したまま結婚へと進んでいました。結婚そのものに反対ではなかったものの「自分で選んだ」という実感は薄かったのです。
妊娠中に突きつけられた孤独
結婚後すぐに妊活を始め、幸運にも妊娠しました。ところがつわりは想像以上につらく、ほとんど寝たきりの生活に。仕事を続けることもできず、やむを得ず退職しました。
そんな私に冷たい言葉を投げかける彼。
「妊娠は病気じゃないだろ」
「寝てばかりでいいな」
結婚前の優しかった彼が、まるで別人のように感じられました。胸に広がったのは、どうしようもない孤独。初めて「結婚したのは本当に正しかったのだろうか」と自分に問いかけた瞬間でもあったのです。