賃貸か持ち家か、永遠のテーマですよね。筆者の友人・サエさん(仮名)は、新居で突然始まった隣人からの理不尽なクレームに困り果てていました。誰もいない留守中にも「うるさい」と張り紙が。一体、何が起きていたのでしょうか。

夫の変わった趣味

サエさんの夫には変わった趣味があります。

「賃貸を渡り歩いていろんな部屋に住むのが面白い」

自分の城が欲しいサエさんには、理解できない価値観でした。

でも子どもがいないぶん、引っ越すたび家はスッキリ片付く。

まあいいか。

そう折り合いをつけてきました。

新居に越して間もなく、隣人からのクレームが始まります。

「夜中に、バイオリン弾いているでしょ!」

えっ、バイオリン?

楽器なんて持っていないのに。夜十時以降は静かにしているのに。

何度説明しても、隣人は聞く耳を持ちません。

「嘘をつくな」
「非常識だ」

管理会社に相談しても「お互いさまですから」と取り合ってくれません。

ストレスは募るばかりでした。

留守中にも

ある日、旅行から帰ってくると、玄関に張り紙が。

「うるさい! 無視するな」

……は?

私たち、いなかったのに。

不在だったことで、ようやく疑いが晴れました。

管理会社が再確認すると、音の正体はエレベーターの巻き上げ機の故障。

やっと分かってもらえる。
サエさんはホッとしました。