友人との会話で「あれ? それ違うよ」と思うこと、ありませんか? 筆者の友人・カナさん(仮名)がAI検索で真実を告げた瞬間、場が凍りついた。その後のまさかの展開とは?

高級モンブラン

月一回のお楽しみ、ママ友5人でのホームパーティー。

いつもマウント気味だけど友達思いで憎めない、高級スイーツ愛が止まらないママ友の一人・レイさん(仮名)が、高級モンブランを手土産に登場。

「これ、有名パティシエの高級モンブランよ。モンブランって栗のことなのよ」

と、得意げに説明します。

カナさんは首をかしげました。

「えっ、違うよ。山の名前だよ」

栗論争

カナさんがそう訂正すると、レイさんは慌てたように

「あっ、間違えた! 英語だとマロンね、マロン!」

他のママ友たちも一斉に同調し始める。

「そうそう、栗はマロンよ」
「マロンよね〜」

でもカナさんは引き下がらない。

「マロンはフランス語で、英語はチェスナッツだよ」

その瞬間、空気が変わったのです。

「えー、カナちゃん知ったかぶりしちゃって」

「マロンが英語じゃないって、ありえない」

「海外かぶれしすぎよ」

4対1の状況に。 カナさんは胸が詰まるような思いでした。

本当のことを言っただけなのに……。

信じてもらえない、ならAIで

「じゃあAIで調べてみる?」

カナさんは思わず熱くなってしまいました。

スマホを取り出すと、みんなは自信満々に

「調べればいいじゃない」

「どうせ、カナちゃんが間違ってるのがバレるから」

検索結果が表示された瞬間。

全員、固まった。

モンブランは山の名前で「白い山」という意味。
マロンはフランス語。英語はチェスナッツ。

カナさんが正しい。全員、間違っていた。

シーン……。

すると、レイさんが笑い出します。

「私たち、みんなで堂々と間違えるって、逆にすごいね」

そして明るく言いました。

「カナちゃん、さすが海外好きなだけあるわ」

その一言で、場の空気がふわっと軽くなりました。

間違いを認め合える関係

後日、レイさんがカナさんに打ち明けました。

「このメンバーと一緒にいると、安心して素直でいられるんだよね」

完璧に見せなきゃというプレッシャー。いつもマウントをとってしまうのは、そこから来ていたのかもしれません。

あの日の恥ずかしさが、みんなの関係をより良くしてくれた。

間違いを認め合える仲間って、本当にありがたい。今になって思うのです。

完璧じゃなくていい。そう思える関係こそが、心地よいのかもしれません。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動しています。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めています。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。