筆者の体験談です。
関西に暮らしていた頃、11月の連休に友人が訪ねてきてくれました。
せっかくの機会に紅葉狩りを計画したのですが──思わぬ事態で予定は大きく狂うことに。

期待を胸に出発

転勤族だった私。
暮らす場所が変わっても、折に触れて友人たちが遊びに来てくれるのが楽しみでした。
11月の連休も例外ではなく、再会を喜び合いながら「紅葉でも見に行きたい」と友人が言い出したのです。

私の夫は大学時代を京都で過ごしており、道にも詳しいことから「それなら安心だね」と話が盛り上がりました。
学生時代によく歩いた道や思い出話をしてくれて、こちらまで気持ちが高まります。
朝8時に出発すれば、9時半には到着するだろう。もし混雑していても、10時には到着するはずと楽観し、車内では久々の会話に笑い声が響いていました。

終わらない渋滞

しかし、高速に乗った途端、流れはぴたりと止まりました。
赤く点滅するテールランプが延々と続き、インターチェンジすら遠く感じます。
時計の針ばかりが進みましたが、懐かしい話に花が咲き、笑い声は途切れません。

やがて、仕事でも車を使う夫が「下道の方が早いかも」と言い出し、私たちは高速を降りることに。地元を知る夫の判断に助けられながら、少しずつ進んでいきました。

ようやく到着、でも……

京都にたどり着いたのは14時。想定よりも4時間遅れで到着しました。
観光地はどこも満車で、人の波に押されるばかり。
紅葉を歩いて楽しむ余裕は残されていませんでした。

相談の結果、昼食とお土産を選んで早めに帰路につくことに。
滞在時間はわずか2時間ほど。
車窓から目に入った紅葉は確かに美しかったものの、足を止めて味わうことは叶わず、心残りとなりました。

人気の京都を思い知る

結局、一日の大半を車内で過ごすことになりました。
それでも「11月の京都はここまで人を集めるのか」と驚かされました。

渋滞や混雑も含めて、季節の風物詩のようなものなのかもしれません。
次に訪れるならもっと早朝に出発するか、公共交通を利用するか。
そんな工夫が必要だと学びました。

思い通りにはいかなかったけれど、友人と過ごした時間そのものが大切な思い出。
今では笑って語れる出来事となりました。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。