夏休みに実家に帰省した時の話です。いつも陽気で明るい両親が、妙にかしこまった顔で、「ちょっと話しておきたいことがあるの」と切り出して来ました。
え~、実は借金が1億円あるとかやめてよね~。などと思わず茶化してしまいましたが。
「実はね」そう言って一冊のノートを見せてくれました。
それは、いわるゆエンディングノートと言われるものでした。
預貯金や保険、大切な契約関係の書類の取り扱いについて等、ノートの形式に従ってびっしりと欄が埋めてあります。
「そろそろこういうのもやっておこうと思ってね」 そう言って母は笑い、父は頷きました。