生まれた時からずっとそばにいて、そこにいるのが当たり前だと思っていました。
そんな両親が70歳を迎えたある日、いつもと違う雰囲気で向き合うことになり……
今回は筆者の体験談をお届けします。

普段と様子の違う両親

夏休みに実家に帰省した時の話です。
いつも陽気で明るい両親が、妙にかしこまった顔で、
「ちょっと話しておきたいことがあるの」と切り出して来ました。

え~、実は借金が1億円あるとかやめてよね~。
などと思わず茶化してしまいましたが。

「実はね」
そう言って一冊のノートを見せてくれました。

それは、いわるゆエンディングノートと言われるものでした。

預貯金や保険、大切な契約関係の書類の取り扱いについて等、ノートの形式に従ってびっしりと欄が埋めてあります。

「そろそろこういうのもやっておこうと思ってね」
そう言って母は笑い、父は頷きました。