筆者の知人は、ご近所付き合いが盛んな地域に住んでいます。近いがゆえの距離の取り方に日々悩んでいた知人でしたが、ひとつの解決方法を見出したそうです。

井戸端会議が日常

私は、地方に住む主婦です。
自宅がある町内は、近所付き合いが盛んなところ。

お年寄りが多い地域なのもあってか、昼間は通りの角や道端でのんびり井戸端会議をするおじいさんやおばあさんがたくさんいました。

お互いの職業も把握し合っているような地域なので、みなさん私が専業主婦だと知っています。
昼間は時間があるだろう、と思われており、私の姿を見ると皆さん引き止めてきました。

話の内容は、ほぼ近所の噂話。
「Bさんのとこ、業者に草むしり頼んでいたわよ! 金持ちのやることは違うわねぇ~」
「Fさんとこの出ていった奥さん、こないだ向こうのファミレスで見かけたわよ!」など、たわいもない話ばかりです。

しかし一度話に加わると、なかなか抜けられず時間ばかりが過ぎていきます。
かといって生涯付き合っていくご近所さんには強く言えないし……そんな葛藤を抱えていました。

私が考えた解決法

「何とか井戸端会議に掴まらない方法はないかな……」と悩んだ末、私はとある方法を思いつきました。
そして周到に準備を始め、ある日、ついにその方法をお披露目する機会がやって来たのです。

いつも通り玄関を出ると、すぐ向こうの通りでご近所さんが集まっています。
前を通ろうとすると、「あら、奥さん。ちょっと話していってよ」といつも通り声を掛けられました。

そこで私はこう答えたのです。
「すいません、仕事があるもので」

するとご近所さん達は、「えぇ!? お仕事始めたの?」「どこで働くの?」などと一斉に聞いてきました。
「〇〇スーパーでパートを始めることにしたんです。10時から夕方までなので家を空けることが多くなりそうで」と答える私に、1人の方が「じゃあ早く行かないと! みんな引き止めちゃだめよ!」と言いました。

みなさん次々に「頑張って!」「遅れないように早く行って!」と私をせかし、送り出してくれました。

こうして私は、その日以降井戸端会議に掴まらなくなったのです。

時間が無駄にならず、収入も得られた

仕事を始めたことが近所中に知れると、私を引き止める方はいなくなりました。むしろ皆さん、応援してくれています。

噂話で時間が過ぎることもなく、パートを始めたことで収入も得られました。
「我ながら、いい解決方法だった」と感じ、今の生活に満足しています。

【体験者:40代・女性パート従業員、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。