絶望のなかで舞い込んだ1本の電話が、予想もしなかった展開を呼び起こします。
心に残る“ある出会い”が、世界を優しく変えてくれた瞬間とは?
今回は筆者の友人から聞いた、心あたたまるエピソードをご紹介します。
財布を落とした!
ある日の買い物帰り、バスに乗っていたときの出来事です。
降車後に、何だか喉が渇いたので近くにあった自販機で飲み物を買おうとした私。
すると、カバンのなかをいくら探しても財布が見つからないではありませんか!
買い物を終えてバスに乗る前に財布があったことは覚えていたため、どうやらバス内に落としてきてしまった様子。
ようやく一大事に気づき、血の気が引きました。
財布のなかには現金こそ少なかったものの、保険証やカード類がすべて入っていて、見つからなければ再発行手続きだけでも大変です。
すぐにバスの落とし物センターに問い合わせたのですが、
「まだ届いていません」
との返答で呆然としてしまいました……。
届けてくれたのは?
ところが20分ほどして再度電話が鳴り、
「財布が届きました」
との連絡が!
思わずどなたが届けてくれたのかと聞くと、近くの中学校の体操服を着た女子中学生とのこと。
急いでセンターに向かい財布を確認したところ、中身は一切抜き取られておらず、ようやく安心できました。
女子中学生
対応してくれた職員さんの話によると、財布を届けてくれた中学生は部活の時間が迫っていたとのこと。
それにもかかわらず、わざわざ学校とは真反対の落し物センターに届けてくれて、すぐに走って帰っていったそう。
大切な時間を犠牲にしてまでも届けてくれた女子中学生の優しさに深く感謝した私は、すぐに学校にお礼の連絡を入れました。
善意に感謝
あたたかい善意に心が救われた出来事でした。
世の中にはまだまだ、こんな素敵な心を持った若い子がいるのだと知り、私の心まで明るくなったことを覚えています。
あのとき感じたほっこりあたたかい気持ちは、これからもずっと忘れられないでしょう。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。