今回は、筆者の知人A子さんのお話です。
なんで全部私がやらなきゃいけないの?
共働き夫婦のA子さんは、家事のほとんどを自分が負担していることが不満でした。
いつも夫より30分ほど先にA子さんが帰宅するのですが、夫は帰宅すると
「仕事疲れた! 今日ごはん何?」
と言い、A子さんが作っている前提で聞いてくるのが当たり前。
仕事で疲れていましたが、完璧主義で負けず嫌いのA子さんは夕飯を欠かさず準備していました。
夫にとっては、それが「当たり前」のことのようでした。
料理だけでなく、掃除や洗濯など全ての家事を夫が自らやってくれたことは一度もありませんでした。
何度話し合っても「俺は疲れている」「俺の方が稼ぎが良い」などと言い、夫が折れてくれることはなかったのです。
それでもA子さんは夫を愛していたので、毎日仕事に家事に、全てを頑張り続けていました。
私体調悪いんだけど? 夫の発言に思わず涙が
ある日A子さんは体調を崩し、仕事の疲れもあって、夕飯を作れずに帰宅早々リビングで爆睡してしまいました。
夫が帰ってきた物音で目が覚めたのですが、A子さんが寝ていたことに気付いた夫は
「帰宅して寝る時間があるなんて羨ましいわ~」
と、なんとも嫌味ったらしく言ってきたのです。
体調不良で夕飯がないことを伝えると、
「最悪。俺仕事めっちゃ疲れたのに……」
あからさまに機嫌が悪くなり、ブツブツと文句を言う夫。
冷蔵庫に食材はあると言うと、
「疲れてるのに夕飯作れって? 冗談じゃねぇよ!」
と、ブチ切れられたのです。
A子さんはその言葉を許せず、
「私はいつも疲れてても作ってるけど?」
「体調不良を心配する一言もなく、自分の食事の心配?」
そう言うと悔しくて泣けてきてしまい、そのまま家出して漫画喫茶へ走りました。
運よく休みの前日だったので、そのまま漫画喫茶に一泊することにしたのです。
初めは悔しさで泣くだけでしたが、時間が経つにつれ冷静に考えました。
(どう考えても対等でない私達、これからも我慢し続けるの?)
その夜は悔しさやいろんな気持ちが交差して、一睡もすることが出来ませんでした。
今更何を言われてもなびきません! 自分を大切に生きていきたい
結局その頃は夫のことが好きだったこともあり、話し合いをし続けて離婚は踏みとどまりました。
しかし、その後も夫のモラハラ言動が止むことはなく、結婚生活は3年弱で幕を閉じることに。
夫はまさか「離婚したい」なんて言われるとは思っていなかったのでしょう。
最後まで離婚を拒否し続け、今まで見た事のないほど泣き続けていました。
今は夫と離れて暮らし、恋愛はしていませんが大切な人達が沢山います。
夫からは時々「離れてA子の大切さに気付いた。一生のお願いだからよりを戻したい」なんてメールが来ますが、もう夫に興味はありません。
私は私らしく、そして私を大切にしてくれる人と生きていきたいです。
【体験者:30代・女性OL、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。