伴奏候補者に選出
小学6年生の娘は、ピアノ教室に通っています。同じ教室に同級生のAちゃんという子も通っているのですが、とにかくピアノが上手! 6年以上続けているそうで、娘にとって憧れの的です。
そんなAちゃんが、学校で行われる音楽発表会の合唱伴奏の候補者に選ばれました。ピアノを習っている子はとても多いので、候補者に選ばれるだけでもすごいこと。Aちゃんは自分が選ばれたことに、とても喜んでいました。
選考試験の結果に激怒
その後、学内で選考試験が行われました。課題曲を一人ずつ順番に演奏するそうで、Aちゃんはピアノ教室で一生懸命練習していました。
しかし、結果は落選。伴奏者は他の子に決まってしまったのです。ひどく落ち込むAちゃんを周りの友達はなぐさめたのですが、Aちゃんのママは違いました。
担任に「どうしてAを選んでくれなかったの!?」とクレームを言った後、ピアノ教室にも「他の子よりも上手くなれなかったんだから、今までの月謝を返して!」と無茶な言いがかりをつけてきたのです。
ピアノに触れなくなった
Aちゃんのママはいわゆる教育ママで、自分の子が人より劣るのは許せないという考えの持ち主。娘が得意なピアノで、他の子に選考で敗れたことが悔しくてたまらなかったのでしょう。
その後、Aちゃんは「あんたには才能がない!」と厳しい言葉で叱られ、ピアノ教室をやめさせられました。今は「ピアノを触るのが怖い」と言って、ピアノから距離を置いて生活しているそうです。
子供に習い事をさせる理由は様々かと思います。ただ、「トップを取らなければ落ちこぼれだ」と子供の全人格を否定するかのように叱るのはあまりにも酷です。思うような結果は出せなかったとしても、日々努力している姿勢を、親は褒めてあげるべきではないでしょうか。結果だけでなく、努力の姿勢を評価することが子供にとって自信に繋がるはずです。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。