衝撃のお土産要求
小学生の子どもの修学旅行先が某観光地に決まり、保護者向けの説明会が行われました。
そこでは、行程や宿泊先、巡る観光名所の案内があり、みんな静かに聞いていました。
ところが最後に質疑応答の時間になったとき、Aさんが手を挙げたのです。
「お土産の購入時間を、11時からではなく9時からにしていただけませんか?」
突然の提案に、ざわつく教室。
先生も「え?」と聞き返しました。
個人的すぎるママの訴え
それからAさんは、真剣そのものな表情でこう続けたのです。
「その観光地のB商店で売っている限定のお菓子がありまして。開店直後から並ばないとすぐ売り切れてしまうんです。息子に“必ず買ってきてほしい”とお願いはしていて。だから、お土産時間を9時からにしてほしいんです」
あまりに個人的すぎるお願いに、周りの保護者は目を丸くしました。
修学旅行は子どもたちが集団行動を学ぶ大切な行事。
限られた時間で観光や体験活動を組み合わせ、ようやく作られたスケジュールです。
それを「限定品がほしい」という理由だけで変更してほしいなんて……。正直、驚きました。
修学旅行の目的とは
先生は困ったように、
「申し訳ありません。お店の予約や全体の予定がありますので、お土産の時間を早めるのは難しいです」
とやんわり断っていましたが、Aさんは不満顔。
「でも、数に限りがあるんですけど……」と、納得がいかない様子でした。
子どもたちにとって修学旅行は一生の思い出。
親の“お土産優先”の考えに振り回されず、純粋に楽しんでほしいものだと感じた出来事でした。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。