攻撃的な夫
私の夫は、攻撃的な口調で他人をバカにする癖があります。
結婚前は全く気付かなかったのですが、発覚したきっかけは息子の夜泣き。
生まれたばかりの息子に対し「うるさいな! 眠れないんだよ!」と怒鳴ったのが始まりでした。
それからは私はもちろん、息子にも乱暴な言動を繰り返すようになったので、何度も離婚を考えました。
しかし、私の両親はすでに他界しており頼れる身内もいない上に、経済的にも自立が厳しかったため、我慢しながら結婚生活を続けていました。
息子の進路
息子は父親に怯えながら大きくなったせいか、とても大人しく、自分の感情を表に出さない子でした。
ただ、運動が得意で、高校のバスケットボール部で優秀選手に選抜され、大学も推薦をとれることになったのです。
私は夫に息子の進路について相談しました。
しかし、夫は一切関心を示さず「金がかかってもったいない」と一言。
「18だろ? もう成人したんだから働かせろ!」と怒鳴る始末だったのです。
反撃の瞬間
すると、自分の部屋にいたはずの息子がものすごい勢いでリビングへやってきました。
夫の大きな声が聞こえ、おそらく話の内容を全部理解していたのでしょう。
普段は大人しい息子が「いい加減にしてくれよ! 人のあら探しと悪口ばっかり! もううんざりなんだよ!」と、父親に対して初めて自分の感情をあらわにしたのです。
私も驚きましたが、もっと驚いていたのは夫。
「親に向かってなんて口の利き方をするんだ!」と怒鳴りましたが、息子はさらに溜まっていた感情を爆発させました。
「は? 親? お前、何様なんだよ! ろくに子どもの話も聞かないくせに!」
その勢いに、夫は何も言えなくなりました。
前進
その日の夜、私は息子から家を出たいと言われました。
大学進学はせず、働いて私と2人で生活したいと提案してきたのです。
「離婚できないの? あんなのと一緒にいない方がいいよ」と言う息子。
私は今まで結論を先延ばしにしてきた自分を反省し、離婚に向けて準備を始めることにしました。
「攻撃は最大の防御」とは言いますが、夫の攻撃は果たして防御だったのでしょうか?
本当は弱い自分を守るために攻撃していたのなら、攻撃する相手を間違えていたことに気付いてほしいと思っています。
【体験者:40代女性・パート、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:RIE.K
国文学科を卒業しOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子供を養うために、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。