筆者の体験談です。
義母は「助かるわ」と褒めた後、必ず「こうすればよかったのに」と一言を添える人でした。
ある日、私が無言で帰宅すると義母は一瞬焦った表情を見せ──。その日を境に、義実家との関わり方が変わっていきました。

義母の指摘にモヤモヤ

義両親とは別居でしたが、結婚してから、義母に家事や料理を頼まれることが増えました。
しかし、義母は頼むときは「あなたが得意でしょ、助かるわ!」と褒めるのに、事が終わると最後は「こうすればよかったのにね」と一言言わなければ気が済まない性格。
それならば最初からやり方を教えてくれればいいのに、と胸の内は晴れず、やる気が削がれていったのです。

積もっていく苛立ち

義母のその調子は、訪問するたびに繰り返されます。
別に動くことは問題ないですし、特に感謝されたいわけでもありません。
できることはやろうと思っています。

しかし、後味の悪さばかりが残るのです。
「またか」と思うたび、心の中に小さな不満が積み重なっていきました。

気づけば義母の声を聞くだけで胸が重くなり、訪問の日が近づくと憂うつになるほど。
やがてそれは我慢の限界へと近づいていったのです。

無言で帰宅した日

ある日、義母の「こうすればよかったのに」に耐えきれなくなった私。
エプロンを外し、言葉を返さず義母を一瞥してそのまま玄関に向かいました。
その一瞬、義母が焦った顔を見せたのをはっきり覚えています。
そのまま車に乗り込み帰宅。
義実家からの連絡もシャットアウトしたのです。
長年こらえてきた気持ちが爆発した瞬間でした。

距離を取ることも「嫁の知恵」

後日、様子がおかしいと感じた夫に「話をしよう」と声をかけられました。
衝動的に出てきてしまったのは悪かったけれど「もう限界が近い」という本音を語った私。
夫は「嫌な思いをさせて悪かった」と謝ってくれ、それ以降、義実家からの電話は夫が対応してくれるようになりました。

無理に背伸びして気を回すより、夫に任せて距離を取ることも「嫁の知恵」だと気づきました。
あの一件で「無理してまでいい嫁を演じなくていい」と心から納得できたのです。
肩の力が抜けて、ようやく義母との関係を冷静に保てるようになりました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。