そんな成長の様子を素直に喜べずモヤモヤするのは……
筆者の知人S子さんの話をお届けします。
孫は義妹にそっくり!
S子さんには幼稚園に通う5歳の娘A子ちゃんがいます。
A子ちゃんが生まれた時、義両親はその顔を見るなり、
「Y子(S子さんの夫の妹)にそっくりだ!」
と喜びました。
その後も成長を追うごとに、
「やっぱりY子にそっくりね。この目元とか鼻筋とか」
と、義妹に似ていることがよほど嬉しいのか、会うたびに言われました。
確かに義妹に似ている部分もあるとは思うのですが、客観的に見て、A子ちゃんはS子さんにそっくりな顔立ちをしています。
S子さんも思うところがあり、
「私にも似ていると思うんですけどね~」
と伝えてはみるのですが、義両親は頑なに義妹似だと言い張るのです。
S子さんはなんだか自分の存在が認められていないような気がして、モヤモヤする毎日でした。
幼稚園の敬老参観にて
そんなある日。
幼稚園のイベントの一つで、敬老参観というものがあり、義両親がS子さんに案内されてやって来ました。
教室の前まで行くと、担任の先生が迎えてくれ、
「A子ちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんですね。A子ちゃん、ママにそっくりですよね~。目元とか鼻筋とか!」
先生からまさかの言葉
思いがけない先生の言葉に、義両親が内心どう思っているか分かりませんがS子さんは救われたような気持ちになりました。
自分の存在を一切認めないような空気が辛かったS子さんにとって、先生の言葉はとても嬉しいものだったのです。
その後、義両親は客観的に見てもA子ちゃんがS子さんに似ていると理解したのか、一方的に言い張ることはなくなったそうです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。