人と人との出会いって不思議なものですよね。時には思いがけない出会いが、まるで運命のいたずらのように、私たちの人生を大きく変えるきっかけになることもあります。今回は筆者の友人が、そんなエピソードを聞かせてくれました。
キャンプでの出会い
数年前の秋、私は夫と子ども2人と一緒に、初めてのキャンプに出かけました。
夫婦ともにキャンプ初心者で、右も左もわからず、テントの設営にも悪戦苦闘。
そんな私たちを助けてくれたのは、隣のサイトで小さなテントを張っていた一人の女性でした。
彼女はソロキャンパーで、薪の組み方や火の起こし方など、キャンプのイロハを丁寧に教えてくれたのです。
その優しい笑顔と手際の良さに、私たち家族はすっかり魅了されてしまいました。
星空の下で語り合った夜
夜、私たちはお互いに持ち寄ったコーヒーや軽食を分け合いながら、焚き火を囲みました。
都会での仕事のこと、子育ての悩み、そして「いつか本当にやりたいと思っている仕事に挑戦したい」という私のぼんやりとした夢も、彼女は静かに、しかし真剣なまなざしで聞いてくれました。
別れ際、彼女は「また会えたらいいね」と爽やかに去っていきました。
キャンプの余韻を壊したくない気持ちもあり、連絡先を聞くこともないまま、彼女の後ろ姿を見送ったのですが……。