知人から聞いたときに、思わず笑ってしまったお話を紹介します。
仕事の関係で、海外の方と接する機会が増えた知人でしたが、海外の“とある習慣”を知らなかったがために壮大な勘違いをしてしまったそうです。

ホテルでパートを始める

私は、夫と子どもの3人暮らしです。子どもが小さいうちは専業主婦をやっていましたが、子どもの手が離れてきたこともあり、パートに出ることにしました。

選んだパート先は駅前のホテル。
私の暮らす土地は海外の方も多く訪れる観光地なので、ホテルにも海外のお客様が大勢宿泊していました。

英語が拙い私でしたが、身振り手振りも加えながら、そんなお客様への接客も頑張っていたのです。

気になること

ホテルで働き始めてから、私には少し気になることがありました。

それは、多くの海外のお客様たちが私と目が合った瞬間“にっこり”してくれることです。
受付で目が合ったときはもちろん、ホテルの廊下ですれ違うときも“にっこり”。

お客様の満面の笑みに、最初は少し戸惑った私でしたが、正直悪い気はしませんでした。
「アジア人は若く見られるって言うし、私もまだまだいけるってことかしら♪」と浮かれていたのです。

夫に話すと

そんなある日のこと。
私は夫に「どうやら私、海外の人にモテるみたいなのよ!」と話しました。

「どういうこと?」と尋ねる夫に、「海外のお客さんたちがね、目が合った瞬間に“にこっ”て笑いかけてくれるの」と少し得意げに話した私。

しかし次の瞬間、夫はなぜか爆笑。お腹を抱えて笑い始めました。
「何がそんなにおかしいの!」と少しむっとした私に、夫は「残念ながら、君に惹かれて笑いかけているわけじゃないと思うよ」と言いました。

夫いわく、「海外の人は『あなたに敵意はありません』っていう意味で、目が合うと笑顔を作るんだ。日本でも『防犯のため挨拶は自分からしろ』っていうでしょ? それと同じだよ」とのこと。

その後もしばらく、夫は笑いが収まりませんでした。

壮大な勘違い

夫の笑いっぷりが少し腹立だしくはあったものの、自分の勘違いもなかなかのもの。

てっきり自分がモテているのだと勘違いしていた私は、いい気になっていたさっきまでの自分の姿が頭をよぎり、「穴があったら入りたい……」本気でそう思ったのでした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
5歳、3歳、1歳の3人の子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。