大人になるにつれて知識や経験が増え、常識的な考えや感性が身につきます。一方で幼い子どもの考えや感性にはまだまだ秘めた可能性を感じます。つい大人目線で当たり前に感じていることも、子どもの目線では異なって見えるようで……? 今回は筆者の自宅に遊びに来た小学生の女の子とのエピソードを紹介します。

選りすぐりの陶器やガラス

私は陶器やガラスが好きです。
国内・海外に問わず旅行に行くと、現地ならではの食器を選りすぐり、自宅へ持ち帰り集めています。

定番デザインや奇抜なデザイン、変わった形のものなどさまざまな食器をそろえているため、来客時には必ずと言っていいほど「オシャレだね」「どこで買うの?」などと食器を褒めてもらえます。

小さなお客さん

今日は古くからの友人A子が、5歳の娘・香奈ちゃん(仮名)を連れて遊びに来てくれています!

香奈ちゃんに飲み物を出そうと思ったのですが、子どもがいないうえに陶器やガラスが趣味な私の家には、あいにく子ども用の食器は置いてありません。

そのため、透明なガラスを基調としたデザインに薄ーいイエローで模様が描かれている琉球ガラスでジュースを出すことにしました。

琉球ガラスは頑丈に作られているものが多く、万が一倒したり落としたりした場合にも、割れてガラスが飛び散る心配が低いと思ったことも、このグラスをチョイスした理由です。

飲めない……

喉が渇いたと言っていたはずの香奈ちゃんですが、なぜか出したジュースに手を付けません。

もしかして苦手なジュースだったかな? それとも氷有りがよかった? など、あれこれ考えたのですが飲まない理由がわかるはずもなく。

「どうしたの?」と尋ねると「このコップ、汚れが付いているから飲めない……」と。

大人目線ではシンプルかつ特徴的なアクセントのある1点もの感漂うデザインのグラスですが、たしかに見ようによっては洗い残しの汚れにも見えます。

いままで考えたこともありませんでしたが、子ども目線ではそんな風に見えることもあるんだな、と面白く感じました。

【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。