油断から始まった送迎
ある晩、大学生の娘が「今から先輩に会うことになったから急いで駅まで送って!」と頼んできました。
私は免許証だけをポケットに入れ、ヨレヨレ部屋着のまま慌てて出発しました。
まさかこれが長い夜の始まりになるとは夢にも思いませんでした。
まさかの大失敗に気づく
駅で娘を降ろして帰宅すると、玄関のドアが開かない!
そうだ、最後に鍵をかけたのは娘!
当時は二人暮らしだったため、娘が帰るまで家には入れないという現実。
手元にあるのはスマートフォンと車の鍵だけ。
カフェで時間を潰そうにも、この部屋着姿では恥ずかしくてどこにも行けません。
頼みの娘は帰れない
仕方なく「早く帰れない?」と娘にSOSメール。
しかし返ってきたのは「先輩と一緒だから無理!」の冷たい返事。
友達の家も夕食どきで訪ねづらい。
せめてドライブでも……と思ったら、今度はガソリン残量がギリギリ。なんてタイミングの悪さ!
結局、車内で仮眠したり近所をぶらぶら散歩したりして、時間を潰すしかありませんでした。
痛感した生活の教訓
こうして待つこと約4時間。こんなに娘の帰りが待ち遠しかったことはありません。
帰ってきた瞬間には、まるで数年ぶりの再会のように感動しました。
この出来事から学んだ教訓は3つ。
「近所でも財布と鍵は必ず持つ」「ガソリンは余裕をもって」「どんなときも最低限の身だしなみを整えておく」━━自業自得とはいえ、油断大敵を身をもって実感した夜でした。
【体験者:50代・筆者 回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。