子どもが突然「幼稚園に行きたくない!」と泣いて暴れたら、親としては驚き、心配になりますよね。筆者もそんな経験をしました。思いもよらないことが娘にとって大きなプレッシャーになっていたのです。

突然の「行きたくない!」

私の娘が幼稚園に通っていた頃のことです。
ある朝、園の入り口で突然「行きたくない!」と大泣きし、地面に座り込んで大暴れしました。

今まで一度もそんなことがなかったので、私は大慌て。
先生に手を引かれ、なんとか教室へ入っていったものの、その姿が目に焼き付き、家に帰っても心配でたまりませんでした。

理由を聞いてみると

数日後、娘がご機嫌の時を見計らって「どうしてあの日、幼稚園に行きたくなかったの?」と優しく聞いてみました。
返ってきた答えに私は驚きました。
「お弁当食べられるかわかんない」

どうやら、毎朝私が「おいしそうでしょ」「かわいいでしょ」と作ったお弁当を得意げに見せていたことで、娘は「絶対に食べなきゃ」とプレッシャーを感じていたようなのです。

自己満足だったお弁当アピール

私は完全に自己満足でお弁当をアピールしていました。
娘の気持ちより、自分が「かわいく作れた」と喜ぶことに夢中だったのです。
その小さな行動が、娘には大きな負担になっていたとは気づきもしませんでした。

子どもは親の何気ない一言や態度を敏感に感じ取り、それがストレスになってしまうことがあるのだと、改めて思い知らされました。

子どもの気持ちに寄り添う大切さ

この経験から学んだのは、親の自己満足より、子どもの気持ちに寄り添うことの大切さです。
小さな子どもにとっては「お弁当を残さず食べられるかどうか」も大きな悩みになり得ます。
かわいく作れたかどうかより「食べられる分で大丈夫だよ」と安心させてあげることのほうが大切だと気づきました。
それからは「子どもの小さな声に耳を傾けること」を意識するようにしています。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。