今回は、筆者の友人A子が娘の5年生の学芸会で、他学年の保護者によって味わった残念なエピソードを紹介します。
5年生の学芸会は「演奏」ピアノを幼い頃から習っていた娘はソロパートを担当
私は5年生の娘の学芸会を楽しみにしていました。娘が在籍する学校では、5年生は演奏会を行うのが習わしとなっています。娘は長くピアノを習っていたこともあり、本人の希望も叶って伴奏者に選ばれました。さらに、今年はピアノのソロパートが短いものの10秒程度あります。
娘はピアノの伴奏が決まってから本番まで“ソロパートの部分をうまくこなせるか”、“ソロの部分で失敗しないか”不安を抱えていました。特に、本番2週間前からは緊張のあまり体調もあまりよくありませんでした。そんな娘の姿を心配しつつも、娘のソロパートはもちろん、5年生の演奏を楽しみにしていました。
学芸会でまさかの出来事が……ママさんグループの話し声にガッカリ
私は娘の姿を可能な限り近くで応援し、映像にしっかりと収めたいと思い、ピアノに近い席に座るためにがんばりました。1人で早めに行動し、私にとっての“特等席”の確保に成功。しかし、その数分後、自分の隣におしゃべりを楽しむママさんグループが座りました。幕が上がれば静かになるだろうと思った一方、演奏が始まってもおしゃべりは続きそうという不安もありました。この場所にいるべきか、移動するべきかと悩んでいるうちに、席は埋まっていき、最終的に現在の場所にとどまることに。
しかし、1時間ほどした後、私は自身の選択を後悔することになりました。子どもたちの演奏中もママたちの会話は続きます。「あれは、〇〇ちゃんだ」「△△に住んでいる〇〇さんの子どもはリコーダーを演奏している」「え、タンバリンを持っている××ちゃんは□□くんの妹なの?」などおしゃべりは止まりません。しかも、話の内容から察するに、どうやら、5年生の保護者ではないよう……。
そしてなんと、ママグループの1人が娘のソロパートの演奏中に大笑いをしたのです。なぜ笑ったのかは分からないものの、おそらく誰かが冗談でも言って笑わせたようでした。私はこの突然の笑い声に気をとられ、娘の演奏を聞き逃してしまいました。さらに、撮影していた娘の映像にもこの女性の笑い声が入り、ピアノの音を動画でも楽しむことができません。
夫に送ったけど......。
演奏会の後、仕事で行けなかった夫に娘のソロパートの動画を送ったものの、返信はありませんでした。どうやら、夫は女性の笑い声が響く動画が何の動画なのか理解できなかったよう。帰宅した夫に今日の出来事を話すと、夫も当然のことながら激怒。また、娘もその動画を観てガッカリし、しばらくおとなしくなってしまいました。
学芸会は一般のコンサートや演劇とは違うし、それぞれのマナーや倫理にゆだねられている部分が大きいですよね。だからこそ、お互いを思い遣った行動が求められると思います。自分たちにとっては何気ない会話や音であっても、他の人にとっては一生残る残念な思い出の原因になってしまうこともあります。
【体験者:40代・会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。