サッカーを始めた息子に、“初めての誘い”
小学2年生の息子が始めたサッカー。
最初は不安もありましたが、すぐにチームにも慣れ、練習にも意欲的に通っていました。
そんなある日、練習終わりに「今度みんなで食事会をするから、一緒にどう?」と声をかけられたのです。人数は30人ほど集まる様子。
息子は「行きたい!」と目を輝かせました。
ところが、私は躊躇しました。
翌日は学校もあるし、私は保護者の知り合いがほとんどいません。
正直に言えば「気まずいな」という気持ちが強く、つい渋い顔をしていました。
気乗りしない私に、夫の意外な一言
すると夫が一言。
「本人が行きたいって言ってるんだから、俺が連れて行くよ」
思わぬ提案に驚きつつ、安心した私。けれど夫の次の言葉に、胸を打たれました。
「俺も子どものとき野球をやってたけど、こういう食事会へ親に連れてってもらったことは一度もなかった。親に『忙しいから』って言われて。でも、ずっと羨ましかった。だから息子の『行きたい』気持ちはよくわかるんだよ」
その言葉に、私はハッとしました。自分の都合ばかり考えていたけれど、子どもにとっては大切な経験なのです。
親としての学び
その夜、夫と息子は食事会に参加し、父兄同士で話をしたり、息子は仲間と笑顔いっぱいで過ごしたそうです。
帰宅した2人の楽しそうな様子に、私は心から「行かせてよかった」と思いました。
親になった今だからこそ、自分がしてもらえなかったことを子どもにしてあげたい。その姿勢を夫から学んだ出来事でした。
【体験者:30代・女性パート、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。