義母の言動に募るモヤモヤ
私の夫は長男で、弟がいます。
弟夫婦に子どもが生まれて以来、義母は我が家に来るたび、息子の持ち物を“お下がり候補”としてチェックするのです。
「同じ男の子でよかった」
「これお下がり予約しておこうかな」
「これ、譲ってあげてね」
こうした言葉に、私はいつもモヤモヤしていました。
心が重くなる“ある習慣”
甥と息子は5歳差で、もちろんお下がりをあげるつもりはあります。
でも、私が息子に買って今も使っているものをお下がり待ちするなんて、ちょっと図々しいような……。
「また”お下がり”って言われるのか」と思うと、義母が家に来るのが苦痛でした。
そんな中、息子が楽しみにしていたキックバイク(ペダルなし自転車)を買った日のこと。
さっそく息子がスイスイと乗りこなしていると、タイミング悪く義母がやってきました。
息子が放った意外な言葉
義母は、
「すごいすごい! こんなに乗れるなら、もうすぐ自転車に乗れちゃうわね。そしたら、Aくん(甥っ子)に譲ってあげてね」
と言いました。
今日買ったばかりなのに、早くもお下がりの話をする義母のことを私は心底嫌になりました。
私が聞き流そうとした、そのとき。
「これ、僕のだから! あげないからね!」
息子が、義母に向かってはっきりとそう言ったのです。
義母は一瞬、目を丸くしていましたが、
「あらあら、ばぁばったら早とちりしちゃったかしら」と笑っていました。
気づかされた“当たり前の大切さ”
それから息子はキックバイクを誰にも触らせず、大切に、ボロボロになるまで乗り続けました。
義母に「お下がりお下がり」と言われモヤモヤしていた私。
でも、愛着のあるものならずっと持っていていいんだ、ずっと使っていいんだ。
息子のおかげで、そんな当たり前のことに気づかされた出来事でした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。