華道展で関西を訪れた際、華道教室仲間10人で京都の大原に宿を取りました。
移動のタクシーでの一言がきっかけで、思いがけず「効率満点」の京都観光が叶ったのです。
幹事としての責任と不安
流派の周年記念で大きな華道展が開催され、関西を訪れた私たち。
翌日は京都観光をする予定を立てており、京都・大原の宿に泊まることになりました。
最寄り駅に着くと、私たちはタクシーに分乗して宿へ向かうことに。
幹事を務めていた私は、他の幹事と共にタクシーに乗り込み、翌日の観光について「どこを回ろうか」と相談していました。
観光ルートが決まらない焦り
「北山のお寺にも行きたい」「東山の名所も外せない」
行きたい場所が次々と出てきて、ルートがなかなか決まりません。
みんなで意見を出し合うものの、乗り継ぎなども考えなければならず。
さらに年齢層もバラバラで、高齢の方がいることを考えると、時間配分も難しく、話しながらも途方に暮れていたのです。
夜の自由時間にルートや交通機関を調べるつもりでしたが「今日は寝られるのかしら?」とにぎやかな会話の中に、不安がじわりと広がっていきました。
運転手さんの思わぬ提案
そのとき、話が聞こえていたらしい運転手さんが「それならタクシーで回った方が効率がいいですよ」と声をかけてくれました。
思いがけない提案に一同驚きつつも「なるほど、その手があったか」と気持ちが一気に明るくなります。
「明日お連れしましょうか?」と提案してくださった運転手さんの連絡先を下車時に受け取り、夕食の席で仲間と話し合い。
タクシーで効率よく回ろうと参加者の同意を得て、すぐに電話で連絡。
すると、同僚の運転手さんにも声をかけてくださり、翌日は3台体制での貸し切り観光が実現しました。
お気に入りの京都との出会い
運転手さんのおかげで、行きたい場所を無駄なく巡ることができ、さらに近隣の史跡まで案内していただきました。
程よく閑散とした、でもすてきな庭園。
帰りに「あそこ良かったね」とみんなの話題の的でした。
もしあの提案がなければ出会えなかった景色。
今では来訪するたびに訪れる「お気に入りの京都」の史跡になっています。
効率の良さだけでなく、人との縁が旅を豊かにすることを実感した出来事でした。
【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。