親の心、子知らずと言いますが、大人になって気がつかされる親の気持ちもあるようです。筆者の知人Aさんは幼いころ、何も言わない親を見て「自分は愛されていないのかもしれない」と感じていました。しかし、大人になり自分も子育てをする中で親からの大きな愛に気がついたそうです。子どものころは気づけなかった親の気持ちとはどのようなものだったのでしょうか。
まったく口うるさくない親
40代のAさんは、現在中学生の息子を育てる母です。
Aさん自身が中学生だったころ、母はまったく口うるさくありませんでした。友人たちは反抗期なこともあって「親がうるさい」「昨日あんなことを言われた」などと日々、親の愚痴を言っていました。
ですが、どの愚痴もAさんにとってはピンときません。どのセリフもAさんは言われたことがなく、親をうるさいと思ったこともありませんでした。
私って愛されてない?
テスト前でも勉強しろとは言わない、学校を休みたいと言えば休ませてくれる。
「どうして私の母は怒らないのだろう、私に関心がなく私は愛されていないのかもしれない」
Aさんはこんな気持ちを抱えながら育ちました。そして、大人になり子育てをしている現在、自分の親のように何も言わずにいることの難しさを実感しています。
子どもなんて注意したいことだらけ。よく母は何も言わずに黙っていられたものだなと、母のすごさを感じるようになったのです。