毎晩続く深夜ゲーム
ミカさんの悩みは、 夫が毎晩深夜2時までスマホゲームに熱中することでした。
「ねえ、もう少し家族とかかわってよ」
そう注意しても
「仕事のストレス発散だから。俺にだって息抜きが必要なんだよ」
とまったく聞く耳を持ちません。
子どもが話しかけても、画面を見たままのカラ返事。
その姿にミカさんの苛立ちは募るばかり。
家族の時間はどんどん削られていきました。
予想外の出費に愕然
ある日、夫のスマホに高額課金の通知。
「えっ!? 桁、合ってる?」
画面を見た夫の顔が青ざめていました。
「なに? なんの桁よ」
横から覗き込んだミカさん。そこには信じられない数字。
「ねえ、ママどうしよう……」
しどろもどろの夫の声。
「どうしようって20万円よ!? ニュースで見る中高生の課金トラブルじゃないんだから!」
夫は小さく「だって最初は数百円だったんだよ」と言い訳。
予想外の出費に、頭の中が真っ白になりました。
さらに、スマホゲームの高額課金のせいで、口座残高が足りず、子どもの塾の月謝が引き落とせていなかったのです。
「塾代が払えない」
愛想が尽きたミカさん。
ゲームのために家族が犠牲になるなんて──もう、限界でした。
最後の手段
その夜、ミカさんは決意しました。
夫のスマホを隠すことに。
翌朝「俺のスマホがない!」と慌てふためく夫に、ミカさんは毅然と言いました。
「あなたのせいで家族全員が迷惑しているの。 ゲームか家族か選んでよ!」
ミカさんから夫へのレッドカードでした。
ようやく事の重大さに気づいた夫は、 涙ながらに謝罪しました。
対話が取り戻した家族の絆
それから夫は、課金も時間も制限を守るように。
ミカさんは笑いながら言いました。
「ほんと、ゲームのために塾代滞納って……呆れるでしょ」
でもその“呆れ”がきっかけで、夫の目も覚めて、
家族の時間を取り戻せたのでした。
【体験者:40代・女性/会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。