小さい子どもを連れての外出は何かと大変ですよね。
筆者の知人も、息子くんとのお出かけのときは苦労するようですが、そんな知人に手を差し伸べてくれた人がいました。

落ち着きがない息子

私には、3歳の息子がいます。
息子はとても活発で、目に入るすべてのことに興味津々。

気になるものがあると周りも見ずに駆け出し、道路に飛び出たらどうしようとヒヤヒヤ。児童センターに連れて行くと他の子が遊んでいるおもちゃに手を出してしまうこともしょっちゅうでした。

息子と外に出るだけで、神経がすり減ってしまう日々。しかし一日中家で向き合っていることも大変なので、人気のない公園を選んでは息子を遊ばせていました。

バスに乗らなければならない

そんなある日、遠くまで行かなければならない用事が。バスを使う必要があったのですが、息子を連れて乗らなければならないことがとても不安でした。

「大人しく座っていられないだろうな」「騒いでしまったらどうしよう」
私は悩んだ末、「とりあえず乗ってみて、だめだったら降りてタクシーで行こう」と考え、バスに乗ることを決めたのです。

思わぬ助けが

いざバスに乗ると、息子は大興奮。すぐに歩き回ろうとします。

逃げ出そうとする息子を必死に抱っこし、「お外を見てごらん」「絵本読もうか」と色々気を引いてみますが、とにかく歩き回りたい息子は身をよじって抵抗しています。

しまいには泣いて怒り始めた息子に、「やっぱりだめだった……」と私がバスを降りようと決めた瞬間、すぐ後ろの座席に座っていた女性が声を掛けてきました。

「ぼく、これ見て!」と、その60代くらいの女性は手遊びを始めました。振り返った息子は女性が歌いながらする手遊びをじっと見つめていましたが、だんだんと笑顔に。続いて女性がやったちょっと笑える手遊びに、息子は大爆笑していました。

そのタイミングで女性が、「おばちゃんと一緒に座る?」と言うと、息子は「うん!」と喜んで女性の隣に行きました。
手遊びや窓の外に見える景色で息子の興味を引き、息子を楽しませ続けてくれた女性。おかげで息子は大人しく座り続けられました。

女性の正体は

その方とは降りる場所が一緒だったので、バスから降りて丁寧にお礼を言いました。するとその女性は「私、保育園で園長をしているんです」とのこと。

それを聞いて、さきほどの息子の扱い方にも納得。
「さすがプロ!」と感じましたし、助けてくれたことにもとても感謝した私でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
5歳、3歳、1歳の3人の子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。