とても良い人柄の方と知り合いになった知人ですが、その人の抱えていた過去のトラブルが知人もよく知るある人物へと繋がっていました。
ファミリーサポート
私には、5歳と2歳の息子がいます。
上の子は幼稚園に通っていますが、下の子は自宅で面倒を見ています。
ただ、子どもを連れて行きにくい用事があるときなどは、ファミリーサポートを利用することもありました。
ファミリーサポートは市区町村などが運営する託児サービスで、個人宅で子どもを預かってもらえます。
新しいサポーターさんを紹介される
いつも同じサポーターさんにお願いしていたのですが、その日は都合が悪いとのことで、Dさんという別の方を紹介されました。
Dさんは物腰が柔らかく穏やかで、とても感じの良い人でした。
話しているうちに、Dさんが上の子のお友達のおばあちゃんということが発覚。
お互い驚いたのですが、Dさんは「〇〇(孫の名前)は元気?」と尋ねてきました。
「えぇ、今朝も元気いっぱいでした! いつも話しかけてきて、とってもかわいいんですよ!」と私が答えると、Dさんは静かに微笑んで聞いていました。
Dさんは、託児中の子どもの様子をメモに残してくれたり、私が迎えに行ったときは「お疲れさまでした」とお茶を出してくれたりと、その温かい対応に私も感動したのです。
繰り返される同じ質問
その後もたびたび、Dさんに託児をお願いすることにした私。
子どももよく懐いて、私自身もDさんにお願いするときは安心できました。
ですが、1つだけ気になることが。
それはDさんが会うたび、「うちの孫は元気?」と聞いてくることでした。
その日もDさんは同じ質問をしてきたので、私はつい「お孫さんに最近会えていないんですか?」と尋ねてしまいました。
するとDさんは、少しうつむきながら「実は生まれたときに会って以来、一度も会っていないの」と言ったのです。
「生まれてすぐ面会に行ったとき、私『この子の顔は息子に似てないわね』って言ってしまったの。それを聞いた嫁が『私が浮気したって言いたいんですか!』ってすごい怒っちゃってね……出産もかなり大変だったみたいだし、その直後にそんなこと言われて許せなかったみたい」
「それ以来、一度も孫に会わせてもらえないのよね」と、Dさんは寂しそうに呟きました。
意外な過去だった
Dさんも、園で会うDさんのお嫁さんもどちらもとても良い人です。
そんな人達も、他人は知らない過去を抱えている。それを感じたDさんの告白でした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Junko.A
5歳、3歳、1歳の3人の子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。