最近はどこへ行ってもスマホで写真を撮るのが当たり前になりましたよね。しかし、プライバシーや安全に関わる場所では、周囲に迷惑がかからないように気をつけたいものです。今回は、友人の体験談をご紹介します。
その時でした。
一人のママがおもむろに自分のスマホを取り出し、T山さんの横顔にカメラを向け、カシャッ! とシャッターを切ったのです。
突然のことに、T山さんは驚いた顔で「何するのよ! 勝手に撮らないで!」と声を荒げました。
心に響いた一言
するとそのママは、T山さんの目の前で撮ったばかりのその写真をきちんと削除。
そして、静かに、しかしはっきりとした口調でT山さんにこう言ったのです。
「私たちも、同じ気持ち。『子どもを勝手に撮らないで』って思っています」
その一言に、T山さんはハッとしたようでした。
自分の顔を勝手に撮られたことで、彼女は初めて、自分自身が他の保護者や子どもたちにどれだけ不快な思いをさせていたのかを理解したようです。
周りのママたちが静かに見守る中、T山さんは何も言い返せず、俯いたままスマホをカバンにしまいました。
それ以来、彼女が園内で無断で撮影することはなくなりました。
少し荒療治だったかもしれませんが、あの時、勇気を出して行動したママの言葉と態度が、T山さんに本当に大切なことを気づかせてくれたのでしょう。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。