筆者の知人・K子さんには20代後半の一人息子がいます。息子さんが高校生の時に夫が急逝し、K子さんは一人で息子を育ててきました。息子さんが結婚し、お嫁さんとも良い関係を築いていたのですが──?

ある日、息子から「結婚したい人がいる」と2歳年上の女性・H華を紹介されました。
H華はとても明るく、気さくな性格。
私ともすぐに仲良くなりました。

H華は家庭が複雑な事情を抱えていたため、実家とは疎遠な状態。
そのためか、私を実の母親のように大切にしてくれたのです。

その後、息子はH華と結婚。
私が体調を崩したこともあり、自然な流れで同居をすることになりました。

告白

そんなある日、H華が真剣な顔をして話があると言ってきました。
H華は実はバツイチで、元夫が面倒を見ている3歳の娘がいると言うのです。

H華は出産後にうつ状態になってしまい、育児もできない状態に……。
「使えない嫁はいらない」と義両親に無理やり離婚をさせられ、子どもの親権も元夫に取られてしまっていました。

しかし、元夫が最近連絡をしてきて、自分が再婚することになり、娘がいるのが問題になっているから、娘を引き取ってくれないかと言われたと泣きながら話してくれました。

過去

私はとても驚きました。
でも、一番つらい思いをしているのはH華のはず……H華は「可能であれば引き取りたい」と言いました。

H華に子どもがいることは息子も知らなかったらしく、最近打ち明けられたばかりだとか。
その日の夜、3人で話し合いをしました。

H華の実の両親はH華が幼い頃に離婚し、2人ともH華の面倒を見ず、祖母に育てられていました。
祖母が亡くなると、失踪していた母親がいきなり現れ、相続でかなりもめたとか。
H華のことをまったく気に留めない様子に、ひどく傷ついたと話していました。

結論

息子は、H華がバツイチであることは知っていたものの、子どもがいることは知りませんでした。
私はとにかく夫婦できちんと話し合うようにと言い、2人が出した結論に従うと伝えたのです。

息子は相当悩んでいましたが、最終的には娘さんを引き取ることに。
みんなで力を合わせて何とか頑張ろうという結論に達しました。

応援

手続きなどは大変でしたが、ようやくH華の子どもを引き取り、今では4人で暮らしています。
息子は少し複雑な気持ちかもしれません……でも、自分の好きになった人とあたたかい家庭を築いていってほしいと応援しています。

【体験者:50代女性・パート、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:RIE.K
国文学科を卒業しOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子供を養うために、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。