筆者は大学進学に伴い、一人暮らしを始めました。
引っ越し作業は山積み、手伝ってほしいけれど、亭主関白の父に頼るのは諦めていました。そんな中、父にガツンと放った母の一言に、感謝したエピソードをご紹介します。

一人暮らしに向け、引っ越し準備

私は大学進学のタイミングで、一人暮らしを始めました。

普段から亭主関白の父には「引っ越し準備は全部一人でするように」と言われていましたが、
初めての引っ越しだったこともあり、順調には進みませんでした。

引っ越し先に自家用車で運んでほしい荷物もありましたが、きっと父は面倒くさそうな顔をしてぶつぶつ文句を言うだろうなと思い、お願いすることを諦めていました。

「何かすることはあるか」という父からの言葉にも、形だけだろうなと思い「大丈夫」と答えていました。

父に対して怒る母

引っ越しが近づいてきたある日、両親の部屋から母の声が聞こえてきました。
なんでも、私の引っ越しで手伝うことは無いらしいと、父が母に伝えたところ、

「あなたがそう言わせているだけでしょ!」
「引っ越しで何の手伝いも要らないなんてこと、あるわけないじゃない!」

と父に怒っているのです。
亭主関白の父に「はいはい」と従うような母だったので、父に対してガツンと怒る姿に驚きました。

その後、父の方から「車で運ぶものがあれば、乗せておいて」と言ってくれ、引っ越し先まで運んでもらうことができました。

強く優しい母に感謝

「あなたがそう言わせているだけ」
母のこの言葉は、父に対して期待することを諦めていた私の気持ちを汲んでくれたものだと感じました。

新しい暮らしが始まることや、引っ越し作業も頼れない状況で、私は不安になっていたのだと思います。私の気持ちや状況に寄り添ってくれる言葉を、父に対して強く言う母の姿を見て、安心感で涙が止まりませんでした。

母の強さと優しさが、心に染みた出来事でした。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emma.I
長年人事業務に携わり、働き続ける人々の本音や葛藤に触れてきたライター。
現在は仕事や自身の育児を通じて得た経験を元に、誰かの心に寄り添い、クスッと笑えるエピソードを執筆中。
特に、女子中高出身者の視点やグローバル企業出身者の視点からの記事を得意とする。