ママ友との関係には、時に悩みや葛藤がつきものです。今回は、筆者の友人Hさんが実際に体験した、あるママ友との関わりを通して気づかされた“人付き合いの距離感”についてのお話をご紹介します。最初は気さくな性格から仲良くなった彼女でしたが、関係は思わぬ方向へと変わっていきました。

気さくなママ友との出会い

子どもの習い事がきっかけで知り合ったママ友・Aさん。最初は気さくで話しやすかったため、私も自然と親しくなっていきました。あるとき、送り迎えの話になり、Aさんから「車出してくれる?」と頼まれました。最初は軽い気持ちで「いいよ」と引き受けたのですが、それがきっかけでした。

「車お願いね」が当たり前に→モヤモヤ

それからというもの、毎回のように「今日もお願いね」と当然のように言われるようになりました。お礼もガソリン代もなく、まるで私の車がAさん専用の送迎車かのように扱われることに、だんだんとモヤモヤが溜まっていきました。

「断ったら角が立つかな……」と我慢していましたが、ある日、子どもが高熱を出して大変だった日でさえ「今日もよろしくね」とLINEが。ついに我慢の限界を迎え、「今日は無理なの、ごめんね」と返信しました。すると、返ってきたのは「あ、じゃあ別の人に頼むね」というあっけない一言。

都合のいい人だったと気づいた瞬間

その言葉を読んで、私は愕然としました。私は友達だと思っていたのに、Aさんにとって私は“都合のいい人”でしかなかったのかもしれません。

でも、同時に不思議なほど肩の荷が下りたような気持ちもありました。それ以来、Aさんとは挨拶程度の関係にとどめ、無理に深く関わるのはやめました。

「嫌なことは嫌」と言える勇気を

距離を置いてみて気づいたのは、自分の気持ちを大切にすることの大切さ。合わせる必要がなくなり、心が驚くほど軽くなったのです。

この経験を通じて、「嫌だ」と感じたときにきちんと伝える勇気の大切さを学びました。そして、思いやりのない関係はどこかで必ず歪みが出るもの。今では、人間関係に違和感を覚えたら「これは本当に必要な関係か?」と立ち止まって考えるようにしています。

【体験者:40代・女性パート主婦、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。