出張に飛び回る姿を見て「家庭は大丈夫かしら」と心配していたら、意外なお嫁さんの過去を聞いて!?
知り合いのマダムM子さんの嫁姑エピソードをご紹介します。
「仕事命」のお嫁さん
私の息子のお嫁さんは、とにかく仕事命。
全国各地へ出張に飛び回り、家でも夜中まで資料作りに励んでいるそうです。
それを聞いて感心しつつも、正直なところ
「家庭のことはちゃんとやってるのかしら」
とひそかに心配していました。
考えが古いかも、と思いつつもモヤモヤ
「自分の考えが古いのかも」とは思いますが、まだ幼いのに母親と離れて留守番することの多い孫のことを思うと
「お母さんが仕事で飛び回ってあまり家にいない環境で育つ孫がかわいそう」
「子どもが幼いうちくらいは家にいてあげられないのかしら」
と、お嫁さんの熱心な仕事ぶりに、心のどこかでモヤモヤしてしまいます。
息子から「嫁があれほど頑張るのには理由があるんだ」
そんなある日、
「また妻が出張中」
と言って孫を連れて遊びにきた息子に、遠回しに
「お嫁さん、ちょっと仕事に夢中すぎるんじゃないかしら」
と言うと、息子から意外な言葉が。
「実は、妻があんなに仕事を頑張るのは理由があるんだ」
「どんな時でも自分で働けるように」母親からの教え
お嫁さんはひとり親家庭で育ち、家計を懸命に支える母親の背中を見て育ったそう。
母親からは
「どんな時でも、自分で働けるようにしておきなさい」
と言われてきたとのことでした。
だからお嫁さんにとって、仕事は単なる出世や自己実現ではなく
「どんな時にも生き抜くために必要なこと」
という信念だったのです。
お嫁さんの気持ちを知って、歩み寄ることに
私は義母として、お嫁さんの仕事と家事や子育てとのバランスばかり気にしていたけれど、あの必死さの根っこには、彼女なりの信念と覚悟があったのだと気づきました。
見方を変えた私は、お嫁さんに無理をしていないか声をかけたり、ときどき家事を手伝ったりするように。
特に大げさなことではないものの、協力する姿勢を見せるうち、お嫁さんの表情も徐々にやわらいできました。今では
「助かります、お義母さん」
「いつもすみません」
と感謝の言葉を口にしてくれるように。
一方的に穿って見ていた頃よりも、お互いに打ち解けられた気がしています。
【体験者:70代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Sana.Y
医療機関に勤めるアラフォーワーキングマザー。新卒で化粧品メーカーに入社後、結婚出産を機に退職。現在は転職し子育てと仕事の両立に励む。自分らしい生き方を求め、昔から好きだった書くことを仕事にしたくライターデビュー。化粧品メーカー勤務での経験や、会社でのワーキングマザーとしての立ち位置、ママ友との情報交換を通して美容や教育、女性の生き方を考えた情報を発信している。