運転手に疑われた息子
小学5年生の息子は身長160センチで、クラスで一番背が高いです。母親の私より背が高く、年上に見られることが多々あります。
そんな息子とバスに乗って、街へ出かけたときの話になります。
小学生の息子は子供料金の対象でした。しかし、バスから降りる際、60歳くらいの男性運転手から「君、中学生だろ?」と引き止められてしまったのです。
説明しても嘘つき扱い
私が「息子は小学5年生ですよ。平均より身長がだいぶ高いので、実年齢より上に見えるだけです」と説明しても、「お母さん、子供の前で嘘はいけないよ。恥ずかしいと思わないのかい?」と信じてくれませんでした。
さらに運転手の口調はどんどんと強くなっていき、「まったく信じられない」「これだから最近の親子は困る」などぶつぶつと文句を言い続けていました。
「そんな言い方しなくても」と私は内心カッとなりました。そのとき他の乗客から私たち親子に向けられた視線が、とても痛かったです。
息子の臨機応変な対応
一方で、息子は冷静でした。「ねぇ、俺の年齢確認できるものは持ってないの?」と私に聞いてきたのです。ハッとした私は、財布から息子の保険証を取り出しました。
「運転手さん、生年月日を見てください」私が保険証を差し出すと、運転手の顔色は真っ青に。そして「おっと失礼。最近の子は背が高いんだねぇ」と焦った様子で頭を下げました。
その様子を見ていた乗客たちは「子供を疑うなんてかわいそう」「これも仕事だから仕方がないのかしら」とヒソヒソ話をしていました。
年齢確認は大切だけど
運転手が乗客に年齢確認するのは正しい行動です。しかし、子供に対して一方的に中学生だと決めつけるのは、あまりにも威圧的だと感じました。
今回のような失礼な対応をしてくるのは、本当に一部の人だけだと思いますが、もう息子に嫌な思いはさせたくありません。
その後、息子と公共交通機関を利用する際は、必ず年齢確認できるものを持ち歩くようになりました。息子には年齢を疑われても、自信を持って自分の年齢を答えるように伝えています。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。