産後すぐに義実家へ連行
産院からの退院日、本当は里帰り先の実家にまっすぐ帰る予定でした。実家は産院から車で10分ほどの距離です。
しかし、私を車で迎えに来た夫は「お前の実家よりも、先に行きたいところがある」と言ってきました。理由を聞くと「先に俺の親に孫の顔を見せてやりたいんだ」と言い出したのです。
義両親は足腰が悪く、子供の誕生後に産院に来ることができませんでした。義実家は車で1時間ほどの場所にあります。
私は夫の発言に戸惑いました。ただ早く孫の顔を見せたいという夫の気持ちも理解できたので、「少しだけなら」と先に義実家に向かうことにしました。
義実家では蚊帳の外
実家に到着すると、「まぁ、赤ちゃんを連れてきてくれたの?」と喜ぶ義母。夫は「妻の家よりも先にこっちに来てやったぜ」と自慢げでした。
その後、夫と義両親は赤ちゃんを囲んで大盛り上がり。一方で私には誰も「お疲れ様」の一言も言ってくれず、完全に蚊帳の外に置かれてしまいました。
何時間経っても帰ろうとしない夫に、私はイライラが募っていきました。その時、急に視界がぐらつき、全身から血の気が引くのを感じました。めまいに耐えようとしましたが、力が抜け、気づいた時には床に横たわっていました。
救世主登場で救われた
ぼんやりとした意識の中で、私の異変に気づいた義母が、焦った様子で私の母に電話してくれているのが見えました。母は元看護師だったということもあり、母ならなんとかしてくれると思ったのでしょう。
事情を聞いて急いで駆けつけてくれた母は、夫に対して「産後間もないのに無理させないでほしかったわ」と怒りをあらわにしました。
そして「今日は私が娘と赤ちゃんを車に乗せて帰るので、〇〇さん(夫)はご実家でゆっくり休まれてね」と夫にピシャリ。夫は何も言い返せませんでした。
この一件から、私の体調を以前よりは気遣ってくれるようになった夫。ただ、産後に無理をさせられたことは、一生忘れられないと思います。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする